弊社は海上コンテナ輸送を事業としていますが、このコンテナ、実は輸送用途だけでなく、いろいろな利用方法があるということをご存知でしょうか。
本日はコンテナの利用ケースについていくつかご紹介したいと思います。
①コンテナハウスとして
コンテナはそれ単体でも、または組み合わせることでも居住空間として利用することができます。
コンテナはいわば箱のような形をしているため、屋根もついており、また、人が入ってもゆとりのある高さ(約2.5メートル)なので居住空間として十分活用できます。
(コンテナの大きさや種類については過去の記事をご参照ください。)
内装や外装にこだわることのできる予算があれば、デザイン性も兼ね備えることが可能です。
ただ、1点注意が必要な点もあります。
それは、コンテナハウスもれっきとした建築物とみなされる、ということです。そのため、建築基準法に準拠しなければならず、基本的に建築確認申請を実施し、確認済証の交付を受ける必要があります。
②スタジアムとして
2022年にカタールでサッカーのワールドカップが開催されましたが、その際に使用されたスタジアムの一つであるスタジアム974はその構造にコンテナが利用されています。上記の写真からもお分かりになると思いますが、スタジアムの内部にコンテナがところどころ設置されているのが見えます。
このスタジアムにコンテナが利用されている主な理由は、スタジアム利用後、躯体を解体し、再利用できるからというものです。
昨今、SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)やESG(Environment&Social&Governance=環境&社会&ガバナンス)というワードが注目されている通り、環境に配慮した建築物の建設という観点がワールドカップのような世界的な競技大会でも重要視されています。
この観点で、施設の建設及び解体をより容易にすることのできる構造を実現するため、コンテナが活用されることとなったのです。
③データセンターとして
最近、データセンターの設置方法の一つとしてコンテナを利用することが注目を浴びています。
その理由は、サーバーの設置や追加時にコンテナを設置または増やしていくだけでよく、比較的簡単にスケールさせることができる、というものです。(ITの世界ではスケーラビリティが優れているという表現が使われます。)
例えば、サイトやサービスの利用者が急激に増えるケースを考えてみましょう。アクセスが増えるとその分サーバーに負荷がかかるので、適切に増設していくことが望ましいのですが、通常のビルタイプでは簡単に拡張できません。
一方、コンテナタイプではサーバーの入ったコンテナを横に設置していくだけで拡張できるので、簡単に拡張していくことができます。
また、コンテナの中にサーバーや空調設備を適切な配置で入れていくことで空調効率が良くなり、電気代が安価に抑えられる、そしてその結果として二酸化炭素の排出量が少なくなるなどその他色々なメリットもあります。
物流業界だけでなく、建築業界にも革命を起こしつつあるコンテナ、今後も目を離すことができません。