東京港のストックヤードについて

本日のコラムでは、東京港のストックヤードについて取り上げたいと思います。
東京港をご利用されることの多い運送事業者様はこのストックヤードについてご存知でしょうか。2017年3月から運用が開始されているストックヤード、まだご利用されたことのない運送事業者様は一度活用をご検討されてもよいかもしれません。

東京港の現状

ストックヤードについてご紹介する前に、東京港の現状について整理したいと思います。
東京港は日本最大の港湾ですが、その外貿コンテナ取扱量は年々増加傾向にあり、2016年度は年間425万TEU(TEUはコンテナ数の単位を指すとお考えください)にも及びます。
20年前は年間200万TEU程度だったことを考えると、この20年間で2倍以上のコンテナが東京港に集まるようになりました。もちろん、東京港自体の処理能力も拡張されていますが、それ以上の伸びでコンテナの取り扱い数量が伸びているのです。

その結果、何が起きているかというと、東京港にコンテナを引き取りにくる車両で渋滞が発生し、非常に大きな非効率が生まれているのです。特に、輸入品を午前中に納品するよう希望される荷主が多いため、納品前日の夕方にコンテナを引き取る車両が集中するという傾向があります。

そこで、この混雑状況を緩和するような仕組みが作れないか、ということで提供されるようになったのがストックヤードということになります。

ストックヤードとは

夕方に発生する渋滞を緩和するためには、納品前日の午前中に引き取りを行えればよい、ということなのですが、午前中に引き取るだけでは、納品先に運び込むまで一日以上の間隔が空いてしまうため、その間一日中車両を1つのコンテナが占有してしまうこととなり、現実的ではありません。

そこで、午前中に引き取りを行なった後、ターミナル近くに設けられたストックヤードにコンテナを一時保管しておくことができればどうでしょうか。ストックヤードにコンテナを降ろし、別の配送業務を行なった上で納品当日の深夜から早朝にかけてストックヤードに戻り、改めてヘッドとコンテナを連結し配送に向かうことができます。

ストックヤードは365日24時間オープンしていますので、このようなオペレーションが可能となるのですが、利用にあたり、何点か注意事項があります。

ストックヤード利用時の注意点

①事前登録・予約制
利用にあたり、あらかじめ東京港埠頭株式会社の審査が必要になります。
具体的な申請フローは下記URL
https://www.tokyoport-stockyard.com
を拝見いただくとして、簡単にご説明すると以下のようになります。

・事前登録申請書や登記簿謄本などを提出
・審査後、法人IDおよびパスワードが発行されるので当該IDでシステムへログイン
・以降、利用時はシステムから事前予約を実施
*収容台数は現時点で200台程度となっているため、利用率が100%を超える日もあり、そのような日は抽選で利用可否が決定されるとのことです。

②入出庫の時間制限
ストックヤードは夕方の車両混雑を防ぐために設けられているため、実入り輸入コンテナは午後15時までに入庫することが義務付けられています。また、出庫については入庫翌日の午前8時までとされています。

事前申し込みが必須であったり、入出庫のタイムスケジュールが厳密であったり、と運用ルールが厳しいという側面もありますが、利用料が無料というのは運送事業者様にとってはありがたいポイントではないでしょうか。
ご興味いただけた運送事業者様は一度利用を検討されてみてはいかがでしょうか。