「ドレージ(Drayage)」という用語をご存知でしょうか。業界では非常に耳慣れた用語ですが、多くの一般の方には馴染みのない言葉かもしれません。
今回のコラムではドレージについて分かりやすくまとめてみたいと思います。
ドレージとは、スバリ、港からコンテナをトラック輸送すること、です。
実は、私たちが普段使っている家具や家電、スーパーに並ぶ食品の多くが、この“ドレージ”のおかげで港から街へ無事に運ばれています。
国際輸送では、多くの商品や品物が船に乗せられて運ばれてきますが、以前のコラムでも取り上げたように、それらはコンテナという箱に詰められて日本国内に輸入されます。
特に、四方八方を海に囲まれている日本は、海外から商品を輸入する際、陸上輸送を使うことができません。そのため、海外からモノを輸入するには、空路(飛行機)か海路(船/コンテナ船)の必ずどちらかを利用する必要があります。
そして、一般的に、空路経由の輸送は海路経由の輸送よりもコストが高くなりがちで、かつ、高重量のものを運ぶことができません。
そのため、多くのモノはコンテナ船に詰められて日本にやってきます。(その逆も然りで、日本から輸出する場合も、その多くは海路経由で諸外国に運ばれます。)
これら海外からやってきたモノの多くは港ですぐにコンテナから荷下ろしされず、そのままコンテナに乗せられたまま、各地域の倉庫や工場に運ばれるのですが、このコンテナに積まれたまま、港と倉庫/工場などの間をトラック輸送することをドレージと呼びます。
東京近辺の場合は、東京港および横浜港にコンテナが集まり、そこから各地域(埼玉県や茨城県など、関東を中心とした各地域)へ陸送されることとなります。
普通の一般的なトラック輸送(A地点からB地点にモノを運ぶ輸送)と決定的に違うのは、港という特殊な場所での受け取り/受け渡しが発生するため、コンテナ業界特有のルールや制限が存在するという点です。
たとえば、港での受取(入構)ルールがある、指定された返却場所に“空コンテナ”を戻す必要がある、配車が混み合いやすいなど、一般のトラック輸送とは違う“港ならでは”の特徴が多々あります。
ドレージがうまくいかないと、追加料金が発生したり、荷物の納期に影響したりするため、物流ではかなり重要な工程とされています。
とはいえ、実はドレージに必要な情報はシンプルと言えます。
・コンテナが港に着く日(ETA)
・通関を行う日
・倉庫の受け入れ時間
この3つが決まれば、スムーズに配車することが可能となります。
逆にどれか一つでも曖昧な状況下では、「トラックを押さえられない」「待機料が発生する」など小さなトラブルが起きてしまう可能性があります。
もしドレージが止まってしまえば当たり前のように届いている海外の食品や雑貨が街に届かなくなってしまいます。
大げさに言えば、ドレージは日本の物流の“毛細血管” のような存在と言えるでしょう。
大きな国際輸送の中で、最後の一筆書きを担っているのです。
■ まとめ:ドレージは“港と街の橋渡し役”
ドレージは、港から街へコンテナを運ぶための専門的なトラック輸送。
名前は難しそうですが、やっていることは「港と街を確実につなぐ仕事」です。
私たちの生活を支える重要な裏方として、
今日も多くのドライバーさんが港と街のあいだを行き来しています。
