コンサルティング事例紹介-その③

前回のコラムで、コンサルティングの事例の1つとしてドライバーの労務環境改善を取り上げましたが、このテーマは昨今の働き方改革の流れを受け、ますます重要となりつつあります。今回のコラムでは企業に求められる取り組みを法制度の観点も含めご説明したいと思います。

昨年の6月(2018年6月)に成立した働き方改革法案ですが、今年度の4月よりこの改正法が適用開始となったことをニュースで耳にされた方も多いのではないでしょうか。時間外労働の上限規制が導入されたことが大きな変化なのですが、具体的には残業時間の上限は年間720時間に、月間100時間未満などというように規定されるようになりました。現時点では大企業にのみ適用されていますが、来年度4月からは中小企業にも適用されることとなるため、ほぼ全ての企業にこの上限が適用されることとなります。

上記でほぼ、と申し上げましたのは、この適用が除外となる職種が定義されており、建設業に携わる労働者や研究開発を行う技術者などは適用外となっているからです。そして物流業界においても、自動車運転の業務に関わる時間外労働に関しては適用外となっています。より具体的に述べると、例えば、トラックドライバーの残業時間は年間の上限が720時間ではなく960時間とされている一方で、月間の残業上限時間は特に設けられていません。そして、この適用が開始となるのは今から5年後の2024年4月とされています。

今から5年後というと先の長い話のような印象をお受けになる方も多いかもしれませんが、労務環境の改善は一朝一夕に実現できるものではありません。月間の残業時間に関する制限が無いとはいえ、時間外労働が年間960時間に制限されているということは月間平均にすると80時間/月ということになります。1ヶ月あたりの労働日数を20日とすると一日あたり4時間/日ということになり、現状の労務環境から大幅な改善を要求される事業者様も多いのではないでしょうか。今のうちから対策を講じることにより、実際に改正法が適用開始となる5年後にスムーズな、稼働に影響を及ぼさない移行が実現できることでしょう。

当社では、このように最新の法制度を考慮しながら、課題解決のご支援をして参ります。物流全般にわたり、どんなことでも問題ございません。お悩みごとなどがございましたらお気軽にお問い合わせ頂ければ、と思います。現役社長自らが今までの経歴を生かし、御社の課題に対して、昨今の物流業界を取り巻く様々な問題・環境変化に応じた対策をご提案させて頂きます。