今回は、海上コンテナ輸送の現場でよく出てくる「EIR」についてご説明したいと思います。EIRとは、英語のEquipment Interchange Receiptの頭文字をとったものですが、日本語では機器受渡証とも呼ばれます。

コンテナの受け渡し時に発行される重要な書類であり、いつ・どこで・どんな状態でコンテナを受け渡したかを記録するために発行されます。
一般的に、多くの場合、コンテナは船会社が所有しています。
コンテナは船からクレーンで搬出された後、コンテナヤードからシャーシに乗せて目的地まで長距離を移動します。つまり、多くの関係者にとって、コンテナは常に借り物であると言えるでしょう。
そのため、その借り物であるコンテナに後々、傷や凹み、破損などが発生し、その発生時点が分からないとなると、その責任の所在をめぐって、トラブルが発生してしまいます。
そのため、コンテナを関係者間で受け渡す際に、コンテナのダメージの有無などを関係者間で記録として残し共有することが望ましく、そのために利用されるのがEIRなのです。
EIRに記録される内容としては、
・コンテナ番号
・サイズ・タイプ(20ft / 40ft / リーファーなど)
・受渡日時・場所
・コンテナの状態(ダメージの有無)
※コンテナを上のようなイラストで表現した箇所があり、凹み(DENT)、穴(HOLE)、錆(RUST)などの記号が書き込まれます。
などがあり、このうち特に重要なのがダメージチェックに関するものです。ここが曖昧だと後で大きなトラブルになりうるからです。
代表的なケースとしては、コンテナヤードと運送会社との間で、コンテナの搬入・搬出時に発行されますが、1つの輸送案件で2回発行タイミングがあります。
輸出
・バンプール(空コン置き場)から空コンテナを搬出する時。
・実入りコンテナを港のコンテナターミナルへ搬入する時。
輸入
・港から実入りコンテナを搬出する時。
・荷下ろし後、空コンテナをバンプールへ返却する時。
港のゲートを通るたびに、「その時、コンテナはどんな状態だったか」を記録することで、ダメージがあった場合に「誰が壊したのか(誰が修理代を払うのか)」が明確になります。
しかし、多くの場合、細かい油汚れや天井のピンホール(小さな穴)はカメラでは判別できません。そのため、ドライバーによる目視確認と、EIRへの正確なリマーク(備考記載)が重要であると言えるでしょう。
