コンテナの様々な使い道

当社は海上コンテナの輸送サービスを提供していますが、この海上コンテナについて、これまで色々な観点で取り上げて参りました。実はこの海上コンテナ、物流において利用されるのみならず、様々な用途で重宝されていることをご存知でしょうか。特に数年間の使用期間を経たコンテナは中古品として市場に出回ることが多く、新品のコンテナのみならず様々な種類のコンテナが幅広い価格帯で取引されているのです。

もっとも利用されることが多い用途の一つは、モノを保管するスペースすなわち倉庫として利用されるというものです。海上を長期間にわたって輸送されるという特質から、コンテナ自体は頑丈でサビにくく、防水効果も優れているものが多いため、雨晒しの環境下でも物置や倉庫として保管目的で利用することができます。例えば、工場では資材置き場として、小学校では防災用の食料や備品の備蓄倉庫としてコンテナが活用されており、普段意識することは少ないかもしれませんが、見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。

保管目的で通常のコンテナを利用する場合は上記の通りですが、コンテナの中には冷凍・冷蔵機能を持つコンテナもあり、これらは食料品など低温管理が必要なモノの保管場所として利用されることもあります。肉や魚、野菜といった生鮮食品の保管のみならず、温度・湿度の細かい調節が求められるワインやお酒などの保管スペースとしても利用することができ、幅広い用途で利用されています。

また、一風変わった用途ですが、温度や湿度のコントロールをしやすい、という上記のような特徴から、コンピューター機器(専門的にはサーバーと呼ばれるもの)の保管・設置場所としても利用されています。コンテナはサイズが規格化されていることもあり、これらコンピューター機器が保管されているコンテナをいくつも横に連結・拡張させていくことが簡単にできますが、その結果としてデータセンターのような大型の施設が簡単にできてしまいます。あまり知られていませんが、アジアのラオスという国には、日本からこのコンピューター機器が搭載されたコンテナが海を渡って運び込まれ、Made In Japanのコンテナ型データセンターが近年設立されました。

発展途上国の成長を支援する日本政府の施策としてもコンテナが役に立っていると考えると、その用途の幅広さに驚きを隠せませんが、物流業界に止まらず様々なところで縁の下の力持ちとして私たちの生活を支えてくれていると言えるのではないでしょうか。