皆さんは燃料サーチャージという言葉についてお聞きされたことはおありでしょうか。
サーチャージとは英語でSurchargeと書きますが、いわゆる追加料金のことです。燃料サーチャージとは、特に物流業界の中では輸送にかかる、燃料分の追加料金という意味合いで使われるケースが多く、特に昨今のように燃料費が値上がりする傾向が顕著に見られる状況下では、頻繁に発生しうる料金となります。
燃料費が上昇する傾向にある中で、運送料金を一律に保とうとすると、運送業者側の負担が一方的に増えてしまいます。そのため、燃料費の上昇分を荷主側、引いては最終消費者である我々が吸収することが求められています。
そこで、それらについて透明性を担保するため、軽油価格の基準値と、そこからの実際の上昇分を加味し、燃料費上昇分について燃料サーチャージとして取引価格の中に入れるという流れが最近では主流になりつつあります。
この基準値自体、令和5年までは100円/リットルだったのですが、直近の軽油価格上昇に合わせ、昨年から120円/リットルとされることとなりました。つまり、例えば軽油価格が140円/リットルとすると、その差額の20円分(正確には17.5円分/リットル)について燃料費に加味すべきとされています。
計算式としては
燃料サーチャージ=走行距離(km)÷燃費(km/リットル)×燃費上昇額(円/リットル)
となり、例えば600kmを燃費3.3km/リットルで走った場合(軽油価格が140円/リットルの状況下)は
燃料サーチャージ=600(km)÷3.3 km/リットル)×17.5円分/リットル
=3,182円
となります。
直近では軽油価格はさらに値上がりしており、2025年4月時点で約160円/リットルとなっていますから、燃料サーチャージだけでおおよそ6,000円程度は物流費用が上昇するといえます。
物流業界の透明性を高め、働き手を増やしていくためにも、運送業者側に一方的に負担を強いてしまうような環境は望ましくありません。そこで、これら計算式やそもそもの基準値、そして料金設定の方法について国土交通省が主体となってさまざまな取り決めがされ、告示されています。
また、告示されている内容としては燃料サーチャージに関するものだけでなく、そもそもの距離制運賃や、少し細かいところではドライバーの待機時間として発生すべき費用(30分ごと)や積み込みにかかった時間(30分ごと)なども公表されています。
これらの流れは、2024年問題とそれに付随する環境下でいかに物流業界を持続可能な業界として発展させていくべきか、という視座に基づいていると言えるでしょう。
物流業界が全体として健全に発展するよう、当社としても微力ながら引き続き貢献して参りたいと思います。