陸上輸送と海上輸送の違い

陸上輸送と海上輸送の違いとは何か、皆さまはご存知でしょうか。わかりやすくご説明すると、貨物を陸上で運ぶことを陸上輸送と言い、貨物を海上で運ぶことを海上輸送と言います。当たり前のような内容ですが、ではさらに踏み込んで、それぞれどのようなメリットがあるか、どのような時に使い分けるか、考えられたことはおありでしょうか。

まず、どのようなメリットがあるか、を考えてみましょう。

陸上輸送のメリット、それはなんと言っても目的地により早く、よりピンポイントで運ぶことができる、というものです。実際のスピードは元より、何かを輸送したいとなった時に、手配から輸送の確定までの流れも海上輸送より一般的に早く調整できるため、費用は高くなる傾向にありますが、「明日までに東京の吉祥寺に送る」や「明後日までに大阪の十三に送る」といったことも可能になってまいります。一方、海上輸送は基本的に港がある場所を航路で結ぶので、航路が存在しない目的地に送ることはできませんし、港まで運んだとしても、最終目的地に送るには陸上輸送が必要になり、結果として輸送全体にかかる時間は長くなる傾向にあります。

では、海上輸送をあえて選ぶメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。海上輸送では、大量の貨物を一度に運ぶことができるので、大量の資材や設備、機器などを一度に運びたい時などは陸上輸送よりも便利と言えます。具体例を挙げましょう。例えば、川崎近海汽船(社)の清水-大分定期航路では、13,950トンの大型船が運航されていますが、この船を利用すると、10トントラックや20トントレーラーを一度に130台運ぶことが可能となります。大量かつ高重量の資材や車両を輸送したいときなどは海上輸送をご利用されることをお勧めします。

これらのメリットを考慮すると、以下のように使い分けできるといえるでしょう。
【陸上輸送を活用したいシーン】
少量かつ軽量の資材を輸送したいケース
② 資材をより早く、よりピンポイントで輸送したいケース
【海上輸送を活用したいシーン】
大量かつ高重量の資材を一度に輸送したいケース
② 資材を定期的に、より長距離で輸送したいケース

ただ、先日取り上げました2024年問題の課題もあり、今後トラックドライバーが減少すると言われており、陸上輸送は全体的に市場が縮小する可能性も考えられます。海上輸送を利用すると、陸上輸送に比べトラックドライバーの拘束時間が短くなるため、今まで陸上輸送を選択されていたケースでも海上輸送を選択された方が良いケースというのが今後発生してくるのではないかと想像されます。

いずれにせよ、陸上輸送と海上輸送を適切に使いこなし、配送業務の効率化を図っていただきたいと思います。弊社も現在、主に陸上輸送(一般的には海上コンテナ輸送といいますが、より正確にご説明すると、海の上を渡ってきたコンテナを陸上で輸送すること)を業務として執り行っており、陸上輸送に関しては長年の経験がございますが、海上輸送についても今後業務拡大にあたり、さらに注力して参りたいと思います。