前回の記事では、「ドレージ輸送」について物流コストの低減という観点でご紹介しました。今回は同じく物流コストの低減というテーマに基づき、近年の物流業界で重要となりつつある「コンテナラウンドユース(Container Round Use)」という概念についてご紹介したいと思います。
コンテナラウンドユースという言葉をお聞きになられた方は少ないかもしれませんが、英語をそのまま日本語に直訳するとその意味合いをご想像いただけるのではないでしょうか。海上コンテナ(Container)を周回(Round)で利用する(Use)ということですが、つまるところ、海上コンテナに空きがなるべく発生しないよう(できるだけ多くの貨物を積載できるよう)利用しようという試みのことを意味しています。
例えば、A事業者(輸入者)が東京港から神奈川県のとある倉庫まで海外から輸入してきた商品を運びたいとします。通常であれば、東京港からその倉庫まで商品を積載して運んだ後は、そこで貨物を降ろすことになるので、コンテナは空(から)コンテナとなってまた東京港へ引き返すことになります。
ところが、他のB事業者(輸出者)がほぼ同時期に、神奈川県の別のとある倉庫から東京港まで荷物を運び、輸出したいとするとどうでしょうか。このような状況では、A事業者の貨物を神奈川県の倉庫で降ろして空コンテナとなっているコンテナを利用することができます。
つまり、その空コンテナをB事業者の神奈川県の倉庫に手配し、コンテナに貨物を積載した上で東京港へ引き返すことができれば、コンテナに空き状態が発生することが無くなるため、効率的な輸送を実現することができます。そしてこのような効率的な輸送が実現できれば、輸送コストの低減という形で両事業者はメリットを享受することができるでしょう。
もちろん、コンテナラウンドユースがもたらすメリットはコストの低減だけではありません。ドライバー不足が慢性化している物流業界においては労働環境の改善にも繋がりますし、また環境という観点からは輸送距離あたりの二酸化炭素排出量の削減にも繋がると言えます。
弊社では様々な協力会社様と情報を交換しながら、コンテナラウンドユースも手がけておりますので、物流コストの低減という観点からもお客様のお役に立てるのでは、と考えております。是非お気軽にお電話、お問い合わせ頂けますと幸いです。