ここ数日間、とある容疑者があおり運転をしたとして逮捕されましたが、その事件に関するニュースが世間を飛び交っています。このニュースがメディアでこれほど大きく取り上げられるのにはいくつか理由があるかと思いますが、中でも、容疑者が被害者の方に働いた暴力の一部始終がドライブレコーダーにしっかりと記録されていたこと、およびその映像が地上波はもちろんYoutubeやTwitterなどのいわゆるSNSで拡散されたことが大きな理由としてあげられるのではないでしょうか。
物流業界に携わる者としてこの事件を見たときに、いくつかの論点があげられると感じていますが、ここでは大きく2つほど取り上げたいと思います。
まず一つ目の論点は、ドライブレコーダーというものが、このような事件が発生してしまった場合の問題解決や、そもそもの抑止力として働くのではないかということです。このコラムを読んで頂いている方の中には運送事業を営んでいらっしゃる方も多くおられると思いますが、自社の運転ドライバーがあおり運転の被害者とならないために、または、ちょっとした感情の起伏が引き金となることであおり運転そのものをしてしまわないために、ドライブレコーダーを自社のトラックに導入することが有効と言えるのではないでしょうか。
一方で、単純にドライブレコーダーを導入するとコストがかさむと考えられておられる事業者の方もいらっしゃるかと思いますが、そんな時にオススメしたいのが各種助成金の活用です。当社は運送事業者様向けにコンサルティングサービスを提供していることもあり、詳しく知りたいという方がいらっしゃればご連絡頂ければと思いますが、簡単にご紹介すると以下のようなプログラムが用意されています。
例えば、国土交通省が実施している、事故防止対策支援推進事業は、運行管理の高度化に対する支援を目的とし、あらかじめ指定されたドライブレコーダー(国土交通大臣が認定した機器)の導入費用を補助しています。(参考URL:https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/subcontents/jikoboushi1.html)
具体的には、上限を80万円として、4月1日から11月30日までにドライブレコーダーを購入、据付し支払いまで完了しているとその費用が補助されるという制度となっています。申請総額が予算額に達した時点で申請受付が締め切られますので、もし来年度ドライブレコーダーの導入を予定されていらっしゃる事業者の方は、4月1日以降この制度をご確認いただき、実際に補助を希望される方はなるべく早い段階で申請されるとよいと思います。(実際に、今年度は8月末の現時点ですでに受付が終了されているため、毎年非常に人気のある助成制度と言えそうです。)
2つ目の論点は、今の世の中の流れとして、少しでも問題が起きるとSNSなどを通じていとも簡単に拡散されてしまう可能性があるということです。今回の事件はあくまでも個人が引き起こした事例であり、また、被害者の方もいらっしゃる事例ですので非常に大きな問題とも言えますが、YoutubeやTwitterにおける拡散性というものが、時には企業の存続にすら影響を及ぼすほどの非常に大きな影響力を持っていると言えます。
すなわち、SNSの有効性だけでなく、その危険性についても十分に、ドライバーを含め、社員への教育が日頃からしっかりと行われることが重要と言えるのではないでしょうか。そもそもの法令遵守はもちろんですが、安易な気持ちで第三者を不用意に攻撃するような投稿をしないことや、望まない形で取り上げられて(いわゆる炎上してしまう)しまった場合の対処法など、研修などを適宜実施することにより、社員全員に対し、コンプライアンス遵守の意識を向上させるなどの地道な取り組みが重要です。
以上簡単にご説明して参りましたが、なかなか日々の業務で忙しい事業所様におかれましてはどのような施策をどのような順番で実施すればよいか悩まれていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。当社のコンサルティングサービスでは、現役社長自らが皆様のお悩みを解決すべく、様々な観点で施策をご提案させて頂きます。その際も、まずお客様の課題やニーズを探るところから支援させて頂きますので、日々の悩みごとなどございましたらまずはお気軽にお問い合わせ頂ければ、と思います。