前回のコラムの中でドライブレコーダーの活用について簡単にご紹介させていただきましたが、今回のコラムから複数回に分け、少し大きな観点で安全運転をいかに実現するかについてまとめてみたいと思います。
安全運転を実現すると一言でいえども、実に多くの案が考えられますが、大きく分類すると、その方法としては制度・教育面の充実化と、物理的なシステム面の充実化という二つのポイントがあるように思います。
制度・教育面の充実化とは、過労が起因となって発生する事故を少しでも減らすための労務条件の改善や、安全講習の定期的な受講をドライバーに促すことで安全に対する意識の向上を図ることなどを意味しています。一方、物理的なシステム面の充実化とは、制度・教育面の充実化がソフト面の充実化であるのに対し、ハード面の充実化を意味しています。具体的には、前回のコラムでも取り上げさせていただいたような、ドライブレコーダーなどの導入によって事故を防ぐという施策が考えられます。
このコラムを読んでいただいている運送事業者の皆様にとっては、ドライバーに対する、安全講習の定期的な受講が重要だということは改めて申し上げるほどのことではないように思いますが、実際のところ、そのようなプログラムをどのように探せばよいのか、悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、プログラムを申し込む段階になって、いざドライバーのスケジュールを確認すると日々の業務で忙しく、受講に時間を割くことができないまま時間だけが過ぎていく、といったことをご経験されたことはないでしょうか。
そんな事業者様にオススメしたいのが、一般社団法人の安全運転推進協会が実施している、安全運転能力検定というプログラム(http://safe-driving.or.jp/)です。検定試験自体は、3級、2級、1級、S級という順番で難易度が上がっていきますが、3級はインターネット上でメールアドレスなどを登録するだけで、オンラインで受講することができ、かつ無料で提供されているため、多くのドライバーの方達が今すぐにでも受講することができるプログラムとなっています。
所用時間も回答時間そのものは20分と設定されていますが、実際には5分から10分程度で全ての問題に答えることができるように思います。ただ、問題が簡単かというと決してそうでもなく、かなり実践に近い内容となっており、かつ、安全運転をいかに行うかという観点で問題が作成されているため、頭を使わなければ回答できない問題が多く出題されています。ご興味頂けた方は上記URLより一度検定試験にチャレンジしてみて下さい。
もちろん、長期的な観点で、安全運転に対する施策を継続実施することが大切なのは言うまでもありませんが、今回事例として取り上げさせて頂いた、今すぐに短時間でできる安全運転対策というのも、日頃まとまった時間が取れない事業者様にとっては非常に貴重な施策の一つと言えるのではないでしょうか。
以上、今回のコラムではソフト面の充実化という観点で具体的な事例をご紹介させていただきましたが、他にも様々な施策があり、そちらは次回以降のコラムで取り上げたいと思います。また、当社のコンサルティングサービスでは、現役社長自らが皆様のお悩みを解決すべく、様々な観点で施策をご提案させて頂きます。その際も、まずお客様の具体的な課題やニーズを探るところから支援させて頂きますので、日々の悩みごとなどございましたらまずはお気軽にお問い合わせ頂ければ、と思います。