今回は意外に知らない物流用語特集ということで、基礎用語について解説したいと思います。突然ですが、皆さんはシャーシという言葉をご存知でしょうか。物流関係者の方はもちろんご存知だと思いますが、今回は初級者向けということで基本的な定義からご説明したいと思います。
1. シャーシの定義
そもそもシャーシとは、フランス語を語源とし、châssisと書き、英語では同じくchassisと書かれます。日本語に訳すとフレーム、骨組みとなりますが、車の足回り部分(エンジンを含まない)と車の基本構成部分(エンジンを含む)を指す場合があります。
海上コンテナ車両に関してシャーシという場合は前者の車の足回り部分(エンジンを含まない)を指すことが多く、コンテナを載せる車両部分をイメージしていただけるとわかりやすいのでは、と思います。
海上コンテナ車両を名称別に整理すると、エンジンが搭載されており、ドライバーが乗る部分であるトラクタヘッド、トラクタヘッドに牽引されるシャーシ、シャーシの上に載せて運ぶコンテナと3つの部分に分けることができます。したがって、コンテナが載る土台部分をシャーシと呼ぶというように覚えていただければ、と思います。
2. シャーシの種別(2軸シャーシ/3軸シャーシ)
少し専門的な内容になってしまいますが、このシャーシ、タイヤの数によって2軸シャーシと3軸シャーシというように区分されます(1軸シャーシというものも存在はしますが、通常は空積コンテナ用となります)。2軸と3軸の違いとは、後輪部分のタイヤの数の違いであり、軸が2本(1本の直線上の軸にタイヤが4つ、まるで串に刺されているような形状になっているものを軸と呼びます)の車両を2軸シャーシ、軸が3本の車両を3軸シャーシと呼びます。
2-1. 2軸シャーシのイメージ図
こちらが2軸シャーシのイメージ図となります。
以下のイメージ図を見て頂くと、タイヤの軸が2本ある(反対側のタイヤがシャーシに隠れていますが、同一軸上のタイヤ4つを1セットとして2セットある)ことがお分かり頂けるのでは無いでしょうか。
2-2. 3軸シャーシのイメージ図
一方、こちらが3軸シャーシのイメージ図となります。
タイヤの軸が3本ある(タイヤ4つを1セットとして3セットある)ことにご注目ください。
2-3. 種別による最大重量の違い
実際にこの構造の違いにより、2軸シャーシと3軸シャーシでは最大重量(積載貨物重量とコンテナの自重を合わせた重量)に違いがあります。20フィートコンテナの場合では2軸で約2トン(正確には20,320kg)、3軸で約2.4トン(正確には24,000kg)となり、40フィートコンテナの場合では2軸で約2.4トン(正確には24,000kg)、3軸で約3トン(正確には30,480kg)となります。
*20フィートコンテナと40フィートコンテナの違いは過去のコラム(http://everline.jp/column1/)をご参照ください。
シャーシ種別 | コンテナ種別 | 最大重量 |
---|---|---|
2軸シャーシ | 20フィートコンテナ用 | 約20トン(20,320kg) |
3軸シャーシ | 20フィートコンテナ用 | 約24トン(24,000kg) |
2軸シャーシ | 40フィートコンテナ用 | 約24トン(24,000kg) |
3軸シャーシ | 40フィートコンテナ用 | 約30トン(30,480kg) |
3. シャーシの大きさ
様々な種類がありますが、2軸シャーシと3軸シャーシ間で違いは余りなく、20フィートコンテナ用か40フィートコンテナ用かによって大きく2つのタイプに大別されます。
コンテナ種別 | 大きさ |
---|---|
20フィートコンテナ用 | 長さ 約8.6M / 幅 約2.4M / 高さ 約1.2M |
40フィートコンテナ用 | 長さ 約12.5M / 幅 約2.4M / 高さ 約1.2M |
*シャーシごとに構造の詳細を知りたい方は、各シャーシ製造メーカーが公表しているカタログをご確認ください。
・日本トレクス株式会社のカタログ例:http://www.trex.co.jp/media/20180713-141845-803.pdf
・東邦車輛株式会社のカタログ例:https://www.shinmaywa.co.jp/toho/products/dl/TC36H1C33.pdf
4. シャーシ選択時のポイント
鉄鋼製品など比較的重量の重い製品・商品を運ぶ際は3軸シャーシが選択されることが多く、積荷として何を運ぶのか、どれくらいの重量になるのかという観点で、2軸か3軸かを選択する必要があります。当社では関東方面を中心に、2軸、3軸共に手配させていただくことが可能ですので、お気軽にお問い合わせください。