毎日の生活に欠かせない物流。そもそも物流とは何でしょうか。一言で言うとそのまま物(モノ、いわゆる商品)の流れということになりますが、川の流れとは違い、商品は自然発生的に流れません。商品を運ぶ車両、車両を運転するドライバー、そしてそれらが移動する出発地と目的地などなど多くの要素が必要になってきます。
それらを加味すると、物流とは、商品や資材を生産地から消費地へ、最適な形で届ける仕組みと定義できるでしょう。そしてその動線の中では、ただ単に届ける・運ぶ(輸送)ということだけでなく、商品を一時的に倉庫に置く(保管)、商品を車両から下ろす(荷役)などはもちろんのこと、商品をパッキングしたり(包装)、ラベルをはったり(流通加工)するということも必要になってきます。そして最近では、Eコマースの発展もあり、大量のモノを頻繁に輸送することが社会的に求められているため、それらのモノの流れをデータという形で管理(情報管理)するということも必要です。
このように物流と一言で言っても多くの要素で構成されますが、上記の機能をまとめて物流の5大機能や6大機能と呼びます。
【物流の5大機能】
・輸送(Transport)
…トラック、船舶、鉄道、航空などを使ってモノを運ぶ工程。最も目立つ部分です。
・保管(Storage)
…商品を必要なときまで安全に保管する工程。温度管理や在庫管理も含まれます。
・荷役(Handling)
…荷物を積み下ろし、仕分け、ピッキング(出荷準備)する作業のことです。
・包装(Packaging)
…破損防止や衛生保持、さらにはブランド価値を高めるための工夫も含まれます。
・流通加工(Processing)
…ラベル貼りやセット組み、検品など、出荷前の「最後のひと手間」を指します。
これに情報管理を加えると、物流の6大機能になります。
・情報管理(Information)
…バーコードやRFIDタグなどを活用し、在庫データを共有するなど、モノの流れを“見える化”します。
このように分類するメリットは物流をより深く理解できるということだけではありません。どの部門がどの役割を担うのか、どこでコストがかかっているのか、どこに効率化の余地があるのかといった論点が明確になり、現場の仕事を体系化することで実際のビジネスの改善や戦略立案に繋がるのです。
例えば、輸送コストが全体(輸送〜情報管理までの6大機能)のコストのうち50パーセント以上を占めるというケースでは、輸送機能を重点的に改善するという方向性を示すことが可能になります。具体的には、配送ルートの最適化や共同配送を実施するといった施策に落とし込むということもできるでしょう。
以上、物流の5大機能、6大機能について今回は取り上げました。
ぜひ御社の中で自社がどの機能を主に提供しているのか、改めて価値を提供するならどの機能に重点を置くか、など改めて考えていただけると新しい発見があるかもしれません。
