関税について考える

今回は少し変わった切り口で関税というものについて考えてみたいと思います。

普段の食料品の買い物をする際、それぞれの食材がどこから輸入されているのか皆さんはチェックされていますでしょうか。
確認されている方はお気付きになったと思いますが、実はこの輸入元の国はいくつかの特定の国である可能性が高いと言えます。
(あまり確認されたことがない方は、外国産の食材がそれぞれどこの国で作られ、どこから輸入されているのか是非一度確認してみてください。)

コラムの筆者である私自身もほぼ毎日食料品の買い物をするのですが、外国産の野菜や果物の輸入元を確認すると、メキシコ産と書かれていることが多く、以前はなぜメキシコなのだろうと疑問に思っていました。

中国やベトナムと書かれていれば、距離的な近さや人件費の安さからそれほど疑問には感じないのですが、メキシコはほぼ「地球の裏側」と言えるほど遠いこともあり、なぜメキシコなのだろうという謎が頭の中にずっと引っかかっていました。
ちょっとしたクイズですが、皆さんはこの疑問に答えを導き出すことができるでしょうか。

その答えは・・・
(頭の体操に少し考えてみてください)

 

 

 

 

そうなんです!
実は前回のH Sコードのコラムにも関係するのですが、メキシコから日本に輸入される品目はその関税が無税もしくは低税率の対象となっているからなのです!
(もちろん、それだけではなく、商品の品質が比較的高いことや、労働力が比較的安価であるということも理由の一つであると言えます。)

皆さん、いかがでしたでしょうか。関税が低いという観点で正解を導き出すことができたでしょうか。

では、なぜメキシコから日本に輸入される商品の関税が無税または低いのでしょうか

その理由は、日本とメキシコが二国間で特定の条約を締結(正確には経済連携協定であるEPAを発行)しており、双方向の貿易を活発化させるために、それぞれの輸入品にかける関税をお互いに低くしようという取り組みが実施されているからなのです。

日本とメキシコ間のEPAの歴史は古く、2005年に日・メキシコ経済連携協定という形で発行されましたが、その前年の貿易総額は7,850億円であったのに対し、2021年時点では1兆8,235億円にまで拡大しています。

EPAの発行前である2000年代初頭には店頭にメキシコ産の野菜や果物が並ぶことはほとんどなかったと言えると思いますが、現在ではメキシコ産の食材が何らかの形で毎日食卓に並んでいるかもしれません。

また、EPAはメキシコ以外にも約20の国と発行されています。もし、お店で見かける商品や食料品がそれらの国から輸入されているとすると、EPAの発行がその貿易の根底にあると言えるでしょう。

私たちの毎日の生活に、普段は意識をしない貿易や条約・協定というものが実は密接に関係しているという観点を意識してみると、ちょっとした発見があるかもしれません。