HSコードとは

本日のコラムではHSコードについてご紹介したいと思います。
HSコードとは何か、皆さんはご存知でしょうか。

HSコードとは、HS(Harmonized Commodity Description and Coding System)条約(商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約)に基づいて定められたコード番号を意味しています。

HS条約は国際貿易が増えつつあった1988年に、世界税関機構(WCO)で協議及び採択が行われ、発行された条約であり、令和5年4月時点で160カ国が加盟しています。

統一システムという名の通り、それぞれの商品の品目を世界共通のコードで表現しようという狙いがありますが、その目的は、多国間で貿易を行う際に輸出入品目を共通コード化することで貿易実務の簡素化を実現しようというところにあります。

例えば、お米を輸出入しようとするケースを考えてみましょう。
国ごとに共通するコードがなければ、Aという国では米=100293という番号、Bという国では米=782001という番号といったように複数のコードで指定をしなくてはいけなくなり、結果として混乱を招いてしまう可能性があります。

しかしながら、米=100630であるというように全世界で共通化してしまうことができれば、それらの可能性を排除することができ、貿易実務をより円滑なものにすることができると言えるでしょう。

さて、次に、実際のHSコードを例に、その内容についてご説明したいと思います。
HSコードは全部で6桁の数字で表現され、最初の2桁を類、最初の4桁を項、最初の6桁を号といいます。
実際に、お米(精米)のHSコードは100630ですが、10が類、10.06が項、10.06.30が号ということになります。

お米という分類は10.06で項という4桁で表現されますが、そのお米が玄米であれば10.06.20となり、精米であれば10.06.30となるというように、号まで含めて細分化されるようになっています。

また、7桁目以降が付随するケースがありますが、こちらは輸出入の統計をまとめるためのそれぞれの国が個別に指定できる数値や貿易実務上の固有値となっています。特に日本では、7桁目から9桁目を輸出入統計細分用として、10桁目をNACCS(輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社が運営する、税関その他の関係行政機関に対する手続及び関連する民間業務をオンラインで処理するシステム)用として最大で10桁で表現されることとなっています。

少し複雑になってしまいましたが、世界共通の番号は6桁、日本では10桁(世界共通の6桁+日本固有の4桁)で表現されるもの、と理解していただくのが良いかと思います。

HSコードの内容によっては関税が異なってくるということもあり、輸出入をされる際はその商品がHSコード上どの番号に分類されるのか、というのは非常に重要な観点であると言えるでしょう。