港湾物流の用語でよく登場する「CY」と「CFS」、どちらも海上コンテナに関係する施設ですが、役割は大きく異なります。今回のコラムでは、それぞれの違いや特徴について、ご説明したいと思います。
まず、CYとは、Container Yard、コンテナヤードの略であり、コンテナそのものを扱う場所のことを指します。
一方、CFSはContainer Freight Station、コンテナフレートステーションの略であり、コンテナの中の貨物を扱う場所のことを指します。
CYは下記のような場所をイメージいただければと思います。

港で海上コンテナを一時的に保管したり、船積みや陸上輸送に向けてコンテナを整理したりする場所=CYです。
港で大量のコンテナが何段にも積み上げられている光景を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
また、CYは映画やドラマに出てくることが多いこともあり、実物を見られたことがない方も、それら映像で見られたことがある方も多いのではないかと思います。
高く積み上げられたコンテナによって迷路のような通路ができるため、逃げる悪者とそれを追う警察官の攻防といった戦闘シーンでCYが利用されるケースが多いような気がします。実際のところ、名探偵コナンの新作映画、ハイウェイの堕天使でもCYでコナンが悪者と戦うシーンが描かれていました。
少し本題からずれてしまいましたが、このような、コンテナがたくさん積み上げられた場所のことをCYと言います。
輸入の場合は、船から降ろされたコンテナがいったんCYに置かれ、その後トレーラーで工場や物流センターなどへ運ばれます。輸出の場合はその逆で、荷物を積んだコンテナがトレーラーでCYへ持ち込まれ、船積みを待ちます。
つまりCYは、「船とトレーラーをつなぐコンテナの中継地点」と考えると分かりやすいでしょう。
一方、CFSはコンテナそのものではなく、主にコンテナの中に入れる貨物を扱う施設のことを指します。
CFSは下記のような場所をイメージいただければと思います。

例えば、扱う貨物が少量のケースなど、1社だけではコンテナ1本を丸々使い切れない場合があります。そのような小口貨物を複数の荷主から集め、1本のコンテナにまとめる作業などがCFSで行われます。
輸入時には逆に、コンテナから貨物を取り出し、それぞれの荷主ごとに仕分けします。
つまり、
CY=コンテナを扱う場所
CFS=コンテナの中身を扱う場所
という違いがあります。
そのほかの違いとしては、CYは広い屋外スペースであることが一般的です。
コンテナを何段にも積み重ねて保管することができるため、RTG(Rubber Tyred Gantry crane、タイヤ式門型クレーン)やリーチスタッカーなどの大型荷役機械が使われます。
※RTGやリーチスタッカーについては前回のコラム(http://everline.jp/港ではどんな機械が活躍している?コンテナ輸送)をご参考ください。
一方、CFSでは貨物を仕分けたり、コンテナに詰めたりするため、作業の中心は倉庫や上屋などの屋内施設になることが多いようです。ただし、厳密には、CFSも建物だけというわけではありません。倉庫の周辺には、コンテナを置いたり、トラックが接車したりする屋外スペースが設けられていることがあります。
そのため、
CYは基本的に屋外のコンテナ保管エリア
CFSは倉庫などを中心とした貨物取扱施設
と理解いただけるとよいのではないでしょうか。
CYとCFSを理解するうえで、もう1点重要なのがFCLとLCLです。
FCLとLC Lの違いについても過去のコラム(http://everline.jp/ lclとfclについて)で取り上げていますが、簡単にご説明すると、
FCL(Full Container Load)は基本的に1つの荷主がコンテナ1本を使って輸送する方法のことで、CYとの関係が深くなります。
一方、LCL(Less than Container Load)は1社だけではコンテナを使い切らない小口貨物を、他の荷主の貨物と混載して運ぶ方法のことで、LCLでは貨物をまとめたり仕分けたりする必要があるため、CFSが使われます。
ざっくりではありますが、
FCL → CY
LCL → CFS
という関係が成立すると言えるでしょう。
具体的に、輸入時の流れを見ると分かりやすいのですが、例えばFCL貨物の場合、輸入されたコンテナは、
船 → CY → トレーラー → 荷主
という流れで運ばれますが、一方、LCL貨物の場合は、
船 → CY → CFS → コンテナから貨物を取り出す → 荷主ごとに仕分け → 配送
という流れになります。
LCLでは複数の荷主の貨物が1本のコンテナに入っているため、そのまま1社へ運ぶことができません。そこでCFSで中身を分ける必要があるわけです。
このように、基本的には、CYとCFSは別の機能を持つ施設ですが、必ずしも大きく離れているとは限りません。同じ港湾エリア内に設けられていたり、コンテナターミナルの近くにCFSが配置されていたりすることもあります。
大切なのは場所そのものよりも、CYではコンテナ単位で扱い、CFSでは貨物単位で扱うという役割の違いです。
まとめ
・CYとCFSは、どちらも海上コンテナ物流に欠かせない施設です。
・CY=コンテナの置き場・受け渡し場所、CFS=貨物をまとめたり分けたりする場所という違いがあります。
今日も私たちの日常生活を支える様々な商品が、CYやCFSを経由しながら、私たちの手元に届いています。
