【物流基礎用語解説】デマレージとディテンションの違いとは?フリータイムもあわせて解説

海上コンテナ輸送の現場でよく耳にする言葉に「デマレージ」と「ディテンション」という用語があります。

どちらも、コンテナを期限内に引き取ったり返却したりできなかったときに関係する料金ですが、その意味の違いについてご存知でしょうか。

今回のコラムでは、それらの違いについて解説すると共に、この2つの概念を理解するうえで欠かせない「フリータイム」という用語についてもご説明したいと思います。

1.デマレージとは

デマレージ(Demurrage)とは、輸入コンテナを港のコンテナヤードなどから期限内に引き取らず、一定期間を超えて保管した場合に発生する料金のことを指します。

先日のコラムでも取り上げましたが、輸入されたコンテナは、船から降ろされたあとコンテナヤードに置かれます。

しかし、いつまでもずっと無料で置いておけるわけではありません。

一定の無料期間を過ぎてもコンテナを引き取らない場合、超過日数に応じてデマレージが発生します。

簡単にいえば、デマレージとは、「港からコンテナを出すのが遅れたときに発生する料金」と考えていただけるとわかりやすいのではないでしょうか。

2.ディテンションとは

ディテンション(Detention)は、港からコンテナを引き取ったあと、空コンテナを期限内に返却できなかった場合に発生する料金です。

例えば、

コンテナヤードからコンテナを引き取る
↓
工場や倉庫へ運ぶ
↓
コンテナから貨物を降ろす
↓
空コンテナを返却する

という流れがあります。

このとき、空コンテナの返却期限を過ぎてしまうと、ディテンションが発生することがあります。

つまり、ディテンションとは、「コンテナを借りたまま返すのが遅れたときの料金」と考えていただけると分かりやすいでしょう。

3.デマレージとディテンションの違い

両者の違いは、「コンテナがどこにあるか」という観点で考えると、さらに理解が深まります。

デマレージ
→ コンテナが港・コンテナヤード内にある(置かれたままになっている)
→ 引き取りが遅れている

ディテンション
→ コンテナが港・コンテナヤード外にある(持ち出されている)
→ 空コンテナの返却が遅れている

覚え方としては、

デマレージ=港から出すのが遅い
ディテンション=港へ返すのが遅い

と考えると分かりやすいのではないでしょうか。

4.フリータイムとは

フリータイム(Free Time)は、デマレージやディテンションが発生しない無料期間のことを意味しています。

例えば輸入コンテナの場合、

船から荷揚げされる
↓
コンテナヤードで一定期間保管される
↓
フリータイム内に引き取れば追加料金なし
↓
期限を過ぎるとデマレージが発生

という流れになります。

また、コンテナをコンテナヤードから引き取ったあとも、一定期間内に空コンテナを返却すればディテンションは発生しません。

つまりフリータイムとは、「この期間内なら追加料金なしで保管・使用できます」という猶予期間と言えます。

具体例で見てみましょう。

例えば、輸入コンテナのフリータイムが5日間だったとします。

コンテナがコンテナヤードに到着してから3日目に引き取れば、デマレージは発生しません。しかし、7日目までコンテナヤードに置いたままなら、フリータイムを超えた2日分についてデマレージが発生する可能性があります。

その後、コンテナを工場へ運び、空になったコンテナを返却するまでの期限も決められています。

その返却期限を超えてしまえば、今度はディテンションが発生します。

同じ1本のコンテナでも、

・港に置きすぎるとデマレージ
・港から出したあと返却が遅れるとディテンション

という違いがあります。

注意したいのは、フリータイムの日数がすべて同じとは限らないことです。

船会社や航路、コンテナの種類、契約条件などによって異なる場合があり、また、デマレージとディテンションで別々にフリータイムが設定されることもあります。

そのため実際の輸送では、

・何日まで無料なのか
・いつから料金が発生するのか
・空コンテナをいつまでに返す必要があるのか

を事前に確認しておくことが重要です。

5.デマレージやディテンションが存在する理由

なぜ、これらの料金が設定されているのでしょうか。
それは、海上コンテナの動きや流れを想像すると理解できるのではないでしょうか。

海上コンテナは、使用ごとに使い捨てではなく、船会社などが繰り返し使用する設備と言えます。

つまり、1本のコンテナが長期間使われたままになると、次の輸送に使用できません。また、コンテナヤードにコンテナが長期間置かれ続ければ、限られた保管スペースを圧迫します。

そこで、コンテナを円滑に回転させるために、フリータイムを設け、期限を超えた場合にデマレージやディテンションが発生する仕組みになっています。

単なる「罰金」というよりも、コンテナと港のスペースを効率よく回すための仕組みと考えると理解しやすいでしょう。

まとめ

デマレージ、ディテンション、フリータイムは、セットで覚えると分かりやすい用語です。

フリータイム
→ 無料で保管・使用できる期間

デマレージ
→ コンテナヤードなどでの引き取りが遅れたときの料金

ディテンション
→ コンテナヤードから持ち出したコンテナの返却が遅れたときの料金

海上コンテナ輸送では、貨物を運ぶだけでなく、コンテナをいつ引き取り、いつ返却するかという時間管理も重要です。

普段あまり聞き慣れない言葉ですが、この3つを理解すると、海上コンテナ物流の仕組みがぐっと分かりやすくなるでしょう。