【物流基礎用語解説】海上コンテナとは 〜大きさや種類について解説〜

当社が事業として行っている海上コンテナ輸送についてですが、皆さんは海上コンテナについてどのようなイメージをお持ちでしょうか。たまにクレーンで吊り上げられている映像などを見られたこともあるかもしれませんが、巨大な鉄製*の箱のようなものを想像頂ければ正解です。
(*正確には、鉄製、いわゆるスチール製のものと、アルミニウム製のものがあります。)

海上コンテナの大きさ

海上コンテナは一般に普及しているのは大きく分けると2種類しかないということもご存知でしたでしょうか。雑種雑多なサイズがあると輸送のたびにトラックのサイズを変えたり、といった作業が発生してしまうので、そのような状況を回避するために、箱の大きさがあらかじめ決められているのです。長さで比較するとそれぞれ約6メートルと約12メートルの2種類となり、物流業界の中ではメートル単位ではなく、フィート単位でそれぞれ20フィートコンテナ、40フィートコンテナと呼ばれています

コンテナ種別 大きさ 最大重量
20フィートコンテナ 長さ6,058mm×幅2,438mm×高さ2,591mm 約2〜2.4トン
*2軸シャーシ(車輪が2組)の場合:約2トン(20,320kg)
*3軸シャーシ(車輪が3組)の場合:約2.4トン(24,000kg)
40フィートコンテナ 長さ12,192mm×幅2,438mm×高さ2,591mm 約2.4〜3トン
*2軸シャーシ(車輪が2組)の場合:約2.4トン(24,000kg)
*3軸シャーシ(車輪が3組)の場合:約3トン(30,480kg)

実際にどれくらいの大きさかイメージがつきにくいかと思いますので、どのようなものが入るのか具体的に計算してみましょう。

40フィートコンテナの長さ、幅、高さはそれぞれおおよそ12.2m、2.4m、2.6mなので、幅60cm、奥行40cm、高さ40cmのダンボール箱が720個入る計算になります(ただ、実際にダンボールを運ぶ際にはコンテナ内でパレットに載せられるため、正確には、それより少し少ない程度と言えるでしょう。一例として10%少ないと仮定すると、おおよそ650個程度のダンボール箱を運べるということになります)。ダンボールで例えるとイメージが湧きにくいかもしれませんが、普通乗用車にするとおおよそ2台、軽自動車にするとおおよそ3台程度言えばイメージがつきやすいのではないでしょうか。

そしてコンテナを載せて運ぶ船(いわゆるコンテナ船)のサイズはこの二つのコンテナのうち、20フィートコンテナを基本的は単位とすることが多く、その船に20フィートコンテナを積載できる最大数で表されることとなります。最近はコンテナ船の巨大化が進んでおり、大きなもので10,000個のコンテナを載せることができる船もあるようです。巨大すぎてイメージが湧きにくいですが、東京ドームのサイズにして約3分の1程度といえば少しは想像していただけますでしょうか。

海上コンテナの種類

海上コンテナで輸送されるものは様々です。コンテナという箱にさえ入れてしまえば、工業製品、食品、衣類何でも運べるのがコンテナの長所とも言えるでしょう。
ただ、何を輸送するかに応じて、ドライコンテナと特殊コンテナの大きく2種類に分類することができ、特殊コンテナはさらに冷蔵冷凍コンテナ、オープントップコンテナ、サイドオープンコンテナ、フラットラックコンテナ、タンクコンテナの5つに分類されます。

コンテナ種別 コンテナ例 特徴(運ぶものなど)
ドライコンテナ 工業製品や衣類、冷蔵設備を必要としない食品などを運びます。

ドライコンテナ*https://rokko-e.com/より引用

特殊コンテナ 冷蔵冷凍コンテナ コンテナ内部に冷蔵・冷凍装置を備えているため、生鮮食品など輸送時に冷蔵・冷凍される必要があるものを運びます。

冷蔵冷凍コンテナ*https://www.wako-pallet.co.jp/より引用

オープントップコンテナ コンテナ上部が空いており、天井部分が無いコンテナのことを指します。背の高いものを運ぶ際など、通常のドライコンテナに収まりきらないケースで利用されます。

オープントップコンテナ*http://www.kitaqport.or.jp/より引用

サイドオープンコンテナ コンテナの側面が空いている、または側面を開閉することのできるコンテナのことを指します。横幅の広いものを運ぶ際など、通常のドライコンテナに収まりきらないケースで利用されます。

オープントップコンテナ*https://ronyc.jp/より引用

フラットラックコンテナ 上記のオープントップコンテナとサイドオープンコンテナを組み合わせたような構造をしており、天井部分や側面を持たず、どこからでも貨物を積み込むことができるコンテナのことを指します。オープントップコンテナでもサイドオープンコンテナでも積み込むことのできない大型貨物を輸送するケースで利用されます。

フラットラックコンテナ*https://www.container-ichiba.jp/より引用

タンクコンテナ コンテナ内にタンクが格納されているものを指します。酒類や化学薬品などの液体を輸送を輸送するケースで利用されます。

タンクコンテナ*https://kuexp.com/より引用



また、あまり知られていませんが、海上コンテナを輸送しているドライバーは自身が運んでいるコンテナの中身を基本的には知りません。ドライバーの仕事は荷物に一切触れることなく「運ぶ」だけであり、行き先の会社名と住所だけを知らされているケースも多々あります(もちろん、届け先の会社次第で積荷の想像はできるかもしれません)。コンテナの中身を見れないということは、どのような積み方をされているかということもわからないということであり、片荷(左右のどちらかに荷が積まれている状態)の場合には横転事故に繋がってしまうという危険も潜んでいるため、ドライバーには一定の熟練が求められることとなります。