コンサルティング事例紹介-その⑤

前回のコラムでは、コスト削減について具体的な事例を取り上げながらご説明いたしました。車両本体に関わる部分の中でも特に、タイヤの適切な利用方法について基本的な事柄を中心に取り上げさせて頂きましたが、今回のコラムではさらに踏み込んだ打ち手についてご紹介したいと思います。

1つ目の打ち手は、エアエレメントの定期交換です。エアエレメントはエンジンに空気が送り込まれる際にチリやホコリをろ過するフィルターとしての役割を果たしていますが、走行距離の長さに応じて目詰りするようになります。走行距離にしておおよそ25,000km〜50,000kmが交換の目安とされていますが、交換しないまま走行をし続けるとエンジンに取り込まれる空気量が減少し、エンジンの出力が低下してしまいます。目詰りした状態で走行した場合は正常の状態で走行した場合に比べ、燃費が5%程度悪化するとされており、年間100,000km程度走行する大型車の場合は燃料金額にして20万円程度もコストが多くかかってしまいます(軽油1リットル当たり100円換算の場合)。また、燃費の悪化だけではなく、排ガス処理装置(DPFなど)にも負担をかけることとなり、長い目で見てメンテナンスのコストがより増大してしまう可能性もあります。エンジンオイル同様、エアエレメントも定期的に交換するようにされるとよいでしょう。

2つ目の打ち手は、エアロパーツの使用です。エアロパーツは車両のボディ外部に装着されるパーツのことですが、特に車両の先頭部分に取り付けることで空気抵抗を減少させ、燃費の向上を図ることが可能となります。一般によく見られるのが前方下部部分に取り付けられるエアダムと呼ばれるパーツですが、省燃費効果は非装着車に比べ2〜4%程度見込めるとされています。一方、前方上部部分に取り付けられるパーツをエアディフレクタと言いますが、こちらはエアダムよりも省燃費効果が高いとされており、装着車は非装着車に比べ5〜10%程度も燃費が向上するとされています。ただ、エアダムは平ボディ車などにも装着することができますが、エアディフレクタは荷台がキャブより高いバン型車などにしか装着することができないという制約がありますので、トラックの種別に応じて様々な組み合わせが考えられます。パーツの価格と走行距離にかかる燃料費を天秤にかけながら、よりコストが削減される方法を取り入れられるとよいのではないでしょうか。

上記の事例は一例ですが、当社では最も即効性があり効果の出やすいコスト削減策を模索し、課題解決のご支援をして参ります。物流全般にわたり、どんなことでも問題ございません。お悩みごとなどがございましたらお気軽にお問い合わせ頂ければ、と思います。現役社長自らが今までの経歴を生かし、御社の課題に対して、昨今の物流業界を取り巻く様々な問題・環境変化に応じた対策をご提案させて頂きます。