前々回の記事で、コンテナ取扱量の世界ランキングについて触れましたが、一方の日本はどうなっているのか気になったので調べてみました。
2017年現在のランキングは上位から順に、東京港、神戸港、横浜港、名古屋港、大阪港となっており、1980年代〜1990年代にかけては神戸港が日本の中で最も取扱量の多い港だったのですが、1998年以降東京港がずっと首位をキープしているようです。
特にこの上位5つの港は一般に5大港と呼ばれ、他の港とはコンテナ取扱量の多さにおいて一線を画していると言えます。トップの東京港は年間約500万個近いコンテナを扱っていますが、その量たるやもはや想像することすら難しいのではないでしょうか。実に、1日あたりで考えると1日に1.5万個以上のコンテナが行き来している計算になります。その他の港も年間200万個以上のコンテナを扱っており、これら5つの港はまさに日本の貿易における大動脈であると言っても過言ではないでしょう。
コンテナ取扱量と一言で言っていますが、この中には輸出されるものと、輸入されるものが存在します。データを見ていて1つ興味深いと感じた点は、神戸港、横浜港、名古屋港は”出て行くコンテナ(輸出されるコンテナ)”の数の方が”入ってくるコンテナ(輸入されるコンテナ)”よりも多く、一方、東京港、大阪港はその逆、”入ってくるコンテナ”の数の方が“出て行くコンテナ”よりも多くなっているということでした。
その差が最も大きい東京港では、その差が実に30万個も発生しているのですが、よくよく考えると、これは、東京港や大阪港にコンテナが慢性的に過剰に存在しているということ、一方の神戸港、横浜港、名古屋港は慢性的に不足しているということを意味しているのではないでしょうか。
ここからは若干の推測が入ってしまうのですが、おそらくこの過剰、不足を補うべくコンテナが移動していると考えられます。関東で見ると、東京港に輸入されたコンテナは関東近辺の目的地で荷を降ろされた後、何処かで再度荷を積まれ、横浜港から輸出されるという具合に。だからといってどうということでは無いのですが、マクロなデータを見ると国内のコンテナの動きがわかるという興味深い事例ではないでしょうか。耐用年数は一般に5年から10年と言われているコンテナですが、私たちに荷物を届けるために海を越え、山を越え、今日も世界中を移動していることでしょう。