コンサルティング事例紹介-その⑧

前回、前々回と、補助金、助成金の活用について具体例を取り上げさせて頂きましたが、ドライバーの安全教育を目的としているものや、衝突被害軽減ブレーキの導入を目的としているものなど、いずれも物流に関わるものが対象となっていました。ただ、これらの制度をより広い視野で俯瞰してみると、物流と直接的に関係のない補助金や助成金も活用することができます。今回のコラムではそれらの制度のうち、近年特に注目を集めている「サービス等生産性向上IT導入支援事業(以下、IT導入補助金)」について具体例をあげながらご紹介したいと思います。

IT導入補助金というのは、中小企業や小規模事業者が自社の課題を解決、またはニーズを満たすITツールを導入する際の経費を一部補助されるもので、ほぼ全ての業種(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象)に適用されるため、もちろん運送事業者も活用可能な制度となっています。複数のタイプがありますが、最大で450万円まで補助を受けることができ、補助率(全体金額のうち、補助金で賄える金額の比率)も比較的高い50%となっています。

申請前後のフローをご説明すると、まず初めに、自社の課題をどのようなITツールが解決できるかという視点でIT導入支援事業者やITツールそのものを検索します。IT事業者を決定したら実際にコンタクトを取りましょう。自社の情報などを伝えると、IT事業者の方で申請に必要な手続きを開始してもらえます。IT事業者が入力した情報などを適宜確認し、交付の申請をすればあとは審査結果を待つだけ、採択/交付決定通知を受けることができればITツールを導入することができます。

実際にどのようなITツールを導入することができるのか具体的にご紹介すると、例えば、事業所のドライバーやその他従業員が使う日報アプリ(従業員が上長への報告をスマートフォンアプリ上からできるアプリ)などがあります。日報をやり取りすることのできるアプリは数多く存在しますが、中でも日本通運(株)など多くの物流企業で使われている「gamba!」(https://www.getgamba.com)などは新規導入の際に最大で50万円の補助金を受けることができます。

「gamba!」は一例に過ぎませんが、IT導入補助金は補助率が最大で50%まで適用されるため、おおよそどのサービスも通常価格の半額程度で導入することが可能であり、コスト削減という観点で非常に魅力的な制度と言えるでしょう。

当社ではまずお客様の課題やニーズを探るところから支援させて頂きますので、これら制度にお詳しくない事業所様におかれましても、悩みごとなどございましたらお気軽にお問い合わせ頂ければ、と思います。現役社長自らが今までの経歴を生かし、御社の課題に対して、昨今の物流業界を取り巻く様々な問題・環境変化に応じた対策をご提案させて頂きます。