DXについて考える

このホームページをご覧いただいている皆様は、ITや新しいテクノロジーについてご興味を持たれている方も多いのではないでしょうか。また、日常の業務をこなしていく中で、どのようにそれらのツールを使いこなせば良いのか、そして、いわゆるDXをどのように推進していけば良いのか、日々悩まれている方もいらっしゃるのではないかと想像しております。

弊社もいろいろな会社様からお話を頂きますが、その際に非常に重要視している考えがあります。それは、いきなり難しい技術や高度なテクノロジーを使い始めるのではなく、まずは簡単なところから一つずつ着実に業務改善を実施していくことです。「千里の道も一歩から」や「急がば回れ」という言い回しの通り、一歩ずつ手短なところから業務改善を実施していくことが、結果として早道になると考えています。

そして、その際にキーポイントとなるのは、技術やテクノロジーをベースに考えるのではなく、あくまでも既存の業務フローやオペレーションフローの見直しを実施することだと思います。技術の採用やテクノロジーの導入はあくまでも手段であって、それ自体が目的化しないように注意しなければなりません。

具体的に一例を挙げましょう。
例えば、お客様から問い合わせを受け、それに対し社内調整を実施してから、お客様に何かしらの返答をする、というオペレーションが存在したとしましょう。
この場合、その業務フローを支援するSaaS(いわゆるインターネット上のサービス)を導入するのではなく、業務フローを分解した上で、どのような改善が最終的に顧客満足度の向上につながるのかを考えることをお勧めします。

そしてこの際に重要となるのが、「見える化」です。いわゆるトヨタ式改善といわれる改善様式の一つですが、上記のオペレーションの中からどのような「見える化」が考えられるでしょうか。

例えば、お客様への返答にかかっている時間はどうでしょうか。お客様から問い合わせを受けてから返答にいたるまでの時間が短ければ短いほど、顧客満足度が向上する可能性があります。したがって、この場合に「見える化」すべきは、「お客様から問い合わせを受けた時間」と「お客様に返答した時間」となります。この二つが分かれば、この差分である、「お客様への返答に要した時間」が把握できるようになり、この時間が3時間から1時間に短縮できたとすれば、施策の成功が実現できたと言えるでしょう。

そして、この場合も、いきなりSaaSのツールを導入する必要はありません。最初はエクセル(MicrosoftのExcel)やスプレッドシート(GoogleのSpreadsheet)で記録をつけていくだけで良いのです。多くの場合、不思議なものですが、記録をつけていくだけで時間が短縮化していく傾向があります。

そして、この延長線上に、例えば、問い合わせ内容と返答内容も併記していけば、過去のQ &Aの履歴が残っていくこととなり、返答までの時間はさらに短縮化が可能となっていくことでしょう。

ここで言いたいことは、高度なテクノロジーを導入しなくてもDXは十分実現可能であるということです。
当社には物流業界で長年培ったノウハウがたくさん蓄積されています。何かお困りごとがあれば、お気軽にお問い合わせいただければと思います。