倉庫を物流拠点のハブにする

物流業界はともすると私たちの日常生活から少し離れたイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。前回の記事では、週末に訪れると楽しい港・埠頭のスポットをご紹介しましたが、今回の記事では同じ視点で、物流業界が私たちの日常生活に密接に関わっている事例をご紹介したいと思います。

リクルートが毎年発表している、関東の住みたい街ランキングで毎年上位に入る吉祥寺での取り組みですが、商店街と周辺企業が協力して物流を改善したという事例です。

この取り組みが行われるまでは、商店街の中心部までトラックが入ることができ、荷物を各店舗まで直接配送していました。ただ、ご想像いただける通り、商店街をトラックが縦横無尽に走ると渋滞などが発生するという交通面の問題だけでなく、たくさんの人が行き来する通りでは安全面からも問題がありました。そこで、商店街が中心となり、吉祥寺商店街を「安全で歩いて楽しいまち」にするというスローガンのもと、改善活動が実施されました。

具体的には、商店街の近くに比較的大きな共同集配送場という一種の倉庫を設け、そこを全ての物流業者が起点として商品を商店街の各店舗に届ける、という仕組みが導入されました。各店舗に商品を届ける際には、トラックなどではなく人が押して運べる台車を利用することで、吉祥寺商店街は歩行者にとってもより安全な商店街として生まれ変わりました。また、歩行者に優しいだけではなく、物流環境を改善できたおかげで、CO2の排出量も30トン以上削減できるという地球にとっても優しい商店街となりました。

この吉祥寺商店街の事例は全国の商店街のモデルケースになる可能性を孕んでおり、非常に興味深い成功事例と言えます。この事例のキーポイントは、”倉庫”を”物流拠点のハブ”として捉え直し、物流の改善を実施したということなのですが、倉庫業を営んでいる弊社としても非常に示唆の富んだ事例です。

弊社は千葉県に1拠点、茨城県に2拠点の倉庫を保有しておりますが、モノの保管だけでなく、総合的な物流の改善についてもノウハウを有しておりますので、物流に関してお困りごとがあればお気軽にご相談いただければ、と思います。